金髪くんの一途な愛
「昨日、英二さんからなにか聞いたの?」
「え?
あー、なんか初恋の人引きずってるとかなんとか」
……お喋りすぎないか?
佐々木くん、初恋の人のことはあんまり知られてほしくなさそうだったのに…。
「でも、そろそろ新しい恋見つけるんじゃないかなーって、嬉しそうに言ってたよ」
「えっ?
佐々木くんに新しい恋の予感ってこと?」
「そーそー」
えっそうなの!?
全然、そんな素振りは見えなかったけどな…?
「でもあたしもそれ聞いてさ、なるほどね〜って思ったよ。
見た目は派手だけど、悪い人じゃないなーって」
「え、なんで?
新しい恋したら、もし初恋の人と再会したとき、二股みたいにならない?
超悪いやつな気がするんだけど!?」
佐々木くんに新しい恋が見つかりそうだとしても、
なんで『悪い人じゃない』判定になるのかはわからないな!?
「……まぁ、それで捨てることがあったら悪いやつかもだけど…」
「だけど?」
「……とにかくあたしには悪い人に見えなかったの!」
話を終わらせるように、みくるが『早く教室行くよ』と歩き出した。
「……(そりゃあんな優しい目で日菜のこと見てたら……ねぇ?)」
「みくる待ってー!」
予想以上に歩くのが早いみくるに小走りで追い付き、2人で教室に向かった。