金髪くんの一途な愛





高校生活初日の1日が終わり、みくると別れて帰りの電車に乗る。

帰りは朝ほど人はいないけど、それでも学生が多くて空いている席はない。

私は椅子の真横の扉付近に立って、電車が動き出すのと同時に手すりに掴まった。


……朝の電車は、手すりに掴まれる位置じゃなかったし、吊り革にも掴まれなかったからなぁ…。

このくらいの人数なら大丈夫なんだけど…。


朝の満員電車を思い出してまた気分が悪くなってくる。

う゛…と口を抑えたら、電車がカーブに差し掛かって、車体が大きく揺れた。


「きゃっ!」


私は手すり掴まってたからよかったけど

掴まらずにスマホをイジっていた女子高生が、バランスを崩して私のすぐ隣に座っている人の方へ倒れ込んだ。


「うわ、なんすか」


座っていた男子高校生が、肘で受け止めてた様子でそのまま押し退けた。


「……ねぇ、
ちょっと、今触ったよね?」

「………は?」

「あたしの胸触ったでしょ!!
痴漢!!この人痴漢です!!」


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