金髪くんの一途な愛
女の子たちが減るまで、少し離れたところで待っていようと思ったら。
「……あ!
日菜嬢〜!」
「!?」
突然、手を振りながら若い男の人が近付いてきた。
「え…な、なんですか…?」
とりあえず警戒して一歩ひいた…けど
この人今、私のこと『日菜嬢』って呼んだ?
私のことをそう呼ぶ人は、一人だけ心当たりがあった。
「もしかして…
美宙くん?」
「そうだよ!
めっちゃ久しぶりだよね!」
ニコッと笑う顔は、昔の美宙くんとたしかに重なった。
美宙くんはお父さんの後輩。
最後に会ったのは…10年前くらいだろうか?
あまりにも大人になりすぎててビックリなんだが…!?
「こっちに来る会社の人って美宙くんだったんだ?」
「うん、まぁね。
仕事の話はもう終わって、日菜嬢の顔見とこうかなって思って学校まで来ちゃった」
「来なくていいよこんなとこまで…」
ここ女子校だし、
お父さんみたいに不審者扱いされたらどうすんの。