金髪くんの一途な愛
「それにしてもよく私ってわかったね?」
「蓮司さんに写真見せてもらってたからな。
見てなかったら気付かなかった」
「そりゃあ10年も経てば…」
「じゃなくて、
日菜嬢があまりにも綺麗になってるから。
昔はお転婆だったのになぁ〜。
イメージ違いすぎだって」
ケラケラ笑う美宙くんに『失礼な!』と拳を一発お見舞いしようとしたんだけど。
「鈴原」
すぐ後ろから声がして。
振り返ったら、さっきまで女の子に囲まれてたはずの佐々木くんが、もうびっくりするくらい至近距離にいて思わずビクッて驚いた。
「さ、佐々木くん…!びっくりしたぁ…」
「ごめん、驚かせて。
………どちら様?」
佐々木くんが美宙くんに手のひらを向けて私に聞く。
「こちらは美宙くん。
お父さんの仕事仲間というか…」
「どもっす」
美宙くんは佐々木くんをジロ、と睨むと、
「日菜嬢の友達?
ヤンキー?」
警戒心むきだしで、私にこそっと耳打ちしてきた。