金髪くんの一途な愛


女子高生が騒ぎ出す。

『痴漢だ』と言われて、まわりもざわざわしだした。


「はぁ?アンタが倒れてきたんだろーが」

「触ったのは事実じゃない!」

「俺が肘だしてなかったら顔に突っ込んできただろ。だったら痴漢って言わなかったのかよ」

「はぁ!?顔でも痴漢に決まってるでしょ!?胸に触れるんだから!」

「じゃあアンタの過失だろ!」

「とにかく痴漢なの!責任とってよ!」


言い合いになってるけど、まわりは見ないフリ。

私も見てないフリ……なんてできなくて。


「……あの。
その人は倒れてきたあなたを退かしただけで、
下心があって触ったのではないと思います」


私はヒステリックになってる女子高生に言った。


「はぁ!?他人から見てそう見えただけでしょ!?
この人には下心があったかもしれないじゃん!!」

「それはあなたの方では?
あなたが吊り革掴まってたり、手すりに掴まってたら起こらなかったことです。
この人は悪くありません」


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