金髪くんの一途な愛
「む、むずかしい…」
もう一回挑戦しようと財布を開くも、100円玉がなかった。
両替に行こうとしたら
「これ、ほしいの?」
「えっ」
後ろから声がして、
振り向いたら佐々木くんが山積みのマスコットを指さしてた。
「どれ狙ってた?」
「えっ、あ…いや、
どれでもいいから取れたら良いなーって…」
「どれか狙い定めたほうがいいよ。
中途半端な狙いじゃ取れないから」
「あ、じゃあ…
この、茶トラの猫ちゃん」
佐々木くんに教えてもらおうと思って、とりあえず両替に行こうとしたけど
佐々木くんが自分のお金を入れてしまった。
「こういう山積みのやつは、奥の方狙って転がしてくるのがいいよ」
私がさっき手前の方狙ってたの見てたんだ…。
わざわざ私に説明しながら操作してる。
佐々木くんに教えてもらいたいとは思ってた。
でも、教えてほしいって言ってないのに、言わなくても教えてくれるし
「お、取れた。
白猫も」
あっさり2つも取ってしまうなんて、
……モテる要素しかない。
これで好きになるなって、正直キツい。