金髪くんの一途な愛
もっと一緒にいたいのに




「あ。
日菜、こっち」


翌朝。

ギリギリ電車の時間に間に合って、『こっちこっち』と手招きする佐々木くんのもとへ移動した。


「お、おはよう。
ゆ、侑真くん」

「おはよ」


佐々木く…侑真くんとお付き合いすることになり、初めての朝。

昨日、侑真くんは私を名前で呼びたいと言っていたから、

私は『侑真くん』、侑真くんは私を『日菜』と呼ぶことになった。


「日菜、見て。
昨日の猫のマスコット、リュックに付けた」


電車内では前で抱えてるリュックに、侑真くんの言う通り、昨日の白猫のマスコットがぶら下がっていた。


「私もカバンに付けたよ」


私も前に抱えたカバンからぶら下がるマスコットを侑真くんに見せて


「おそろいだね」


そう言って私はニコッと笑った。


……このお付き合いは“お試し”だから


『カップルっぽいね』とは言えなかった。


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