金髪くんの一途な愛
──ガタン!
「おわっ」
「わっ」
電車が大きく揺れて、どこにも掴まってなかった私はバランスを崩す。
そのまま、目の前の侑真くんにドンッとぶつかってしまった。
「あ、ご、ごめん…!」
「大丈夫。ていうか、
危ないからいつもこうでいてくれると嬉しいんだけど」
片手は吊り革に掴まって、
私の体を支えてたもう片方の腕にぐっと力が入って、逃さないと言われてるのか、ぴったりとくっつくように抱き寄せられた。
「あ……はい…」
今までは
侑真くんに近付きすぎるのは良くないと思ってたから遠慮してたけど
一応付き合ってるなら、断る方が不自然かな…。
「………」
「……(自分で引き寄せたものの、
…ち、近い…)」
向き合うよりも緊張して、話題も出てこない。
そのまま特に喋ることなく駅まで過ごした。