金髪くんの一途な愛
「……」
「……」
駅を出て、学校までの道のりもちょっと気まずい。
「…日菜」
「え?」
「あの…
手とか繋いでも、いい?」
歩きながら、手を差し出して私に言う侑真くんだけど…
「……他人の目があるところでは、
友達っぽくいたいから…ごめん」
私は首を横に振った。
「あー……そっか。ごめん…」
私の言葉に、差し出していた手をポケットに突っ込む侑真くん。
……付き合ってたら、そのくらい普通にしてもいいのかもしれないけど
侑真くんはモテると思うし、まわりの冷やかしとか嫉妬の視線とかもあると思うから嫌。
……本当の、両思いの付き合いなら、そんなの気にせず逆に自慢したいとも思うかもしれないけど…
……いつか絶対別れがくる関係なのに、付き合ってるって思われることはしたくなかった。
だって、それで惨めになるのは私だもん…。