美魔男の完璧な仕事に心が溺れる
悪いけどと言いながら、その楽しそうなニコニコ顔が腹が立ってしょうがない。でも、それを許せてしまうのが、優也の魅力だった。
「でも、今、ぐっすり寝てるから、まだ起こしたくない。
だから、残念だけど帰ってくれる?」
翔がそう言って優也をさっさと帰そうとしている時、車のドアが開く音がした。
「翔… ごめん、寝てた。お友達?」
優也はすぐに翔の前に出て、軽く頭を下げる。
「沙羅ちゃん? 初めまして。
僕はA&Wの人間で関優也って言います。翔とは仕事仲間。
これを持ってきただけだから、安心してね」
優也は満面の笑みを浮かべて、やっと翔に鍵を渡す。翔はこれから始まる優也の見え透いた芝居を観覧するしかなかった。
「初めまして。サラ・ディアスといいます」
沙羅は寝ぼけまなこでキョトンとしながら、でも、慌てている。その仕草だけでいい子だという事がすぐに分かる。