美魔男の完璧な仕事に心が溺れる
「龍也が要注意人物なのは百も承知だよ。たぶん、皆の助けを借りる事になりそうなのもね。
でも、今は、沙羅にその事を伝えたくない。
ぎりぎりまで伝えない。それが今回の俺のやり方だから」
優也はそんな翔をジッと見ていた。でも、目はニヤついている。
「分かった… でも、あまり自分のやり方は変えない方がいいと、俺は思う。
ま、翔に関しては、それでも完璧な仕事をするんだろうけど」
優也はそう言って、翔の肩を叩いた。
「翔、恋愛感情に飲まれるなよ。
これは経験者の俺だから言えること、分かってるだろ?」
翔は笑わずにはいられなかった。優也は三年程前に、一年という長い月日をかけてある一人の女性を警護した。その時に色々あったのは何となく噂では聞いている。でも、元々そういう話に興味のない翔は詳しくは知らない。今でも、知ろうとは思わない。優也の恋愛話? そんな話に全く興味はない。