美魔男の完璧な仕事に心が溺れる
優也を見送ってから、翔は車に乗り込んだ。
沙羅は困惑した顔でスマホをいじっている。翔は車を駐車場から出してホテルへ向かって走らせる。横目で沙羅の表情を確かめながら。
「翔、明日の龍也君との待ち合わせなんだけど、場所が変更になるかもって」
沙羅はスマホの画面を見ながらそう言った。
「ずっと連絡がなくて、私の方から会う事に変更はないかってメッセージを送ってたら、今日になってやっと返信がきた」
「どこに変更になった?」
翔は前を向いたままそう沙羅に聞いた。
「まだ決まってないって。決まったらすぐに教えるって。
明日、龍也君に仕事の用事が入って、どのタイミングで暇になるか分からないみたい」
翔の中でこの展開は想定内だ。龍也が沙羅の事を何かのターゲットとして捉えているのなら、できるだけ共有する情報を分散させたいに決まっている。