美魔男の完璧な仕事に心が溺れる


「沙羅、龍也にそんなに会いたい?
 向こうが仕事が忙しくて暇も取れないようなら、別に会う事を断ってもいいんじゃないか?」

 翔は沙羅をわざわざ危険な場所に送り込みたくない。行かない選択肢がある事を何度も沙羅に言い聞かせたかった。行かない事以上の安全はない。
 そして、車はホテルの駐車場へ入って行く。
 龍也との約束が明日へと迫っているため、ホテルに着いたら沙羅に龍也という男が危険だという事実を話すしかない。
 でも、その前に、沙羅に龍也と会わない選択肢がある事をしっかりと伝えた。今、沙羅からのその返事を待っている。

「そうだよね… 
 龍也君のこの感じは、私に会う事をそんなに重要視してないみたいに思える。
 私は龍也君が私に会うために仕事も休んで東京に来てくれるって思ってたから、それなら会わなきゃダメだって思ってたけど…
 分かった… 龍也君にそう提案してみる」


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