美魔男の完璧な仕事に心が溺れる


「それでもどうしても沙羅が龍也に会いたいのなら、俺達は念には念を入れて沙羅を守るしかない。やり過ぎって思われてもね」

 沙羅も翔が食べているおせんべいに手を伸ばした。

「もし、今の段階で龍也君が犯罪に加担している事が分かってるのなら、会うのは絶対に止めるけど、でも、そうじゃなくて、真面目に生きている気がするの。
 だから、龍也君に会いに行くのを止めたくない。
 パパや翔は、私のそんな性格にうんざりするのかもしれないけど、でも、約束は守りたい…」

 翔はそんな沙羅を目を細めて見ている。そして、疲れたように目を閉じた。そんな翔の表情に怖さは見えない。沙羅は少しだけホッとする。

「それじゃ、沙羅を警護する俺の言う事はしっかり守る事。
 もしかしたら、龍也が沙羅のそういう性格につけ込んであり得ない要求とかしてくるかもしれない。
 俺は沙羅に降りかかる危険が1%に満たないものだとしても、全力で沙羅を守る。だから、俺の言う事だけを信じてほしい。龍也の言葉は信じない事。分かった?」


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