美魔男の完璧な仕事に心が溺れる


 沙羅は真剣な顔をしてそう返事をしてくれた。そんな沙羅を翔は熱く見つめる。とにかく怖い思いはさせたくない。恐怖とかズルさとか、そういう類のものから沙羅を遠ざけたい。純粋無垢のままの沙羅でいてほしい。

「明日は沙羅にとっていい日で終わるように、俺も頑張るよ。
 いや、俺が頑張らない方がいい日なのか…
 とにかく、今日はゆっくり休んで。昨日の疲れも残ってるはずだし」

 翔は、今日、ミナとウィルと別れた事を思い出した。遠い昔のように感じてしまう。

「うん、そうする。ありがとう」

 沙羅はかなり疲れている。翔は沙羅の表情からそれがすぐに分かった。本当は抱きしめて大丈夫だからと言ってあげたいけれど、今夜はやめておく。必要以上の事を考えてほしくない。

「俺はしばらく部屋に籠るから、好きに動いていいからね。
 じゃ、明日。
 おやすみ…」


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