美魔男の完璧な仕事に心が溺れる
翔はそう言うと、そのまま自分の部屋へ入った。これ以上、沙羅といたら、ボディガードとしてではなく恋人としての要求をしてしまいそうだった。
“龍也に会ってほしくない、いや、会うな”なんて、言っちゃいけない。ボディガードの任務は沙羅の警護をするだけなのに、沙羅を拘束するわけにはいかない。沙羅は好きなように動く。それをしっかり警護すればいいだけの話だ。
翔はパソコンの前で大きくため息をついた。
こんなにやりにくい仕事は初めてだ。今になって、さっきの優也の言葉が翔の心に響いてくる。こんな時こそ、今までの自分のやり方を忘れちゃいけない。自分のやり方を貫き通す。
翔は七海をリモートで呼んだ。とにかく龍也の全ての情報が知りたい。龍也より優位に立つ事が大事だった。
「ハロー、翔」
そんな翔の気持ちを察しているのか、七海の顔は戦闘モードに入っているように見えた。
「金子達也の事だろ?」