美魔男の完璧な仕事に心が溺れる
「今、俺は龍也の父親の方を調べてるから、もし変わった動きがあればすぐに翔に連絡する」
「了解」
そして、翔は、七海に待ち合わせ場所に使われるレストランのシステム状況を調べてほしいと頼んだ。システム的な仕事は七海がとにかく早い。
七海とのやり取りを終わらせた翔は、すぐに店の情報を調べ始める。表向きの看板ではなく裏のルートを調べないと気が済まない。一つ一つ不安要素を消していく事は、明日の仕事を完璧にするための準備だった。
翔は自分の部屋のドアを必ず開けている。沙羅に何か変化があればすぐに気付けるように。でも、沙羅は自分の部屋から全く出てこなかった。きっと、疲れ果てて眠っているに違いない。
翔の仕事は明日が全てだ。龍也がいい人であれば何も問題はない。でも、龍也が本当に真っ白な人間ならば、今度は沙羅の気持ちが心配だった。龍也に沙羅の気持ちを持っていかれてはたまったもんじゃない。そう考えるだけで、吐きそうになるくらい気分が悪くなる。
とにかく今はするべき事に集中する。沙羅の安全が何よりも第一だから。