美魔男の完璧な仕事に心が溺れる


 七海にとってはこういう展開が楽しくてしょうがない。すぐに個室が映し出されるスマホを翔に見せた。七海が仕掛けたカメラは斜め上から個室全体を映し出している。
 そして、翔も七海に極小のワイヤレスイヤホンを渡す。これで二人は個室の会話が聞けるようになる。
 翔は沙羅にまだ龍也は来ていない事と、マイクを使って沙羅をちゃんと見ている事を伝えた。
 そして、お腹を空かした七海がメニュー表を開いていると、入り口から誰かが入って来た。

「主人公、登場~」

 七海が翔に目配せをする。龍也はスーツ姿で現れた。確かに沙羅が言う通り、ギリギリまで仕事をしていた雰囲気を醸し出している。細身で背が高く見た目は悪い人間には見えない。
 龍也は店の人と何か話しをしている。二人は知り合いなのか楽しそうに笑っていた。

「繋がってるっぽいね」

 翔はあえてカウンターにいるその店員を呼んだ。もう、龍也は個室へ向かっている。


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