美魔男の完璧な仕事に心が溺れる


「繋がってるっぽいね」

 翔はあえてカウンターにいるその店員を呼んだ。もう、龍也は個室へ向かっている。

「お決まりですか?」

 四十代くらいのその店員は笑顔でそう聞いてくる。七海が自分の食べたい料理と、翔の食べるピザを注文する。

「あの…
 このお店に個室があったんですね。
 店の情報を見る限りじゃ、個室の情報は何もなかったから。
 個室があれば、俺達もそっちがよかったんだけど」

 翔はそれとなく店員にそう聞いてみた。きっと、そんな事を言う客は相当数いるはずだから。

「申し訳ございません。
 個室に関してましては、一般のお客様にはご案内していないんです。
 VIP仕様といいますか、普段は開けていないのが現状なんです」

「そうなんですね… 分かりました」

 翔はそう言って、店員に笑顔を向ける。この情報だけでこの店が確実に龍也と繋がっている事が分かった。

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