美魔男の完璧な仕事に心が溺れる


 翔はそんな沙羅の姿が可愛くてしょうがなかった。ばれたらばれたで俺が沙羅を守ればいいだけだ。
 すると、唐突に沙羅は何かを思い出したようなふりをする。翔と七海はお互い顔を合わせて笑ってしまった。

「龍也君、私…
 五時か… ううん、五時半までしか入れないの」

 五時半??
 翔はがっくりとうなだれる。一時間のはずが、三十分伸びてるし…

「え、何で? 用事があるの?」

「…うん、彼が迎えに来るの」

 そんな会話が始まった時、七海がカメラを二人の顔に合わせてズームにした。そのせいで、龍也の慌てた表情がよく分かる。

「彼って? え、日本にいるの?」

 沙羅は何も言わずに頷くだけだ。

「もうその事はいいから…
 ほら、早くご飯を食べようよ。美味しそう!」

 テーブルに並べられた料理を見て、沙羅は嬉しそうにそう言った。そして、パクパク食べ始める。戸惑っている龍也の事は見ないふりをして。


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