美魔男の完璧な仕事に心が溺れる
沙羅は翔の電話が終わった事を確かめると翔に冷えたミネラルウォーターを手渡して、隣にちょこんと座った。翔はそんな沙羅を力強く抱きしめる。
「マジで意味が分かんないよ…」
翔はそう呟くと、沙羅の胸の中に顔を沈める。
「どうしたの?」
沙羅はそんな翔を優しく包み込むように抱きしめた。
「今日のディナーは中華料理らしい。
せっかくの沙羅と二人きりの時間を邪魔する奴らが決めた」
沙羅は目を丸くして驚いている。そりゃそうだろう。
「誰?」
翔はもう一度ため息をつく。というか、ため息が止まらない。本心はマジで勘弁してほしかった。
「A&Wの人間が一緒にご飯食べよう!って。
中華がいいんだってさ」
沙羅の表情は翔とは真逆で何だか嬉しそうだ。
「行きたい! 翔のお友達と仲良くなりたい」
翔はがっくりとうなだれた。沙羅がそんな感じだったら、もう断る理由が見つからない。
翔は壁にかかっている時計を見て、そして、沙羅を抱き上げた。まだもう少し時間がある。沙羅の身体が恋しくて、あんな山奥から車を飛ばして帰ってきたのに、仁達に邪魔されるなんてあり得ない。