美魔男の完璧な仕事に心が溺れる
「こっち、こっち～～」

　翔と沙羅が待ち合わせの店に入ると、七海が楽しそうに手を振った。そりゃ、七海は楽しくてしょうがないだろう。だって、大好きなユリアが一緒なのだから。完全完璧なユリアへ片思いの七海からしたら、この飲み会は超ラッキーで最高過ぎる。
　そして、翔は沙羅の腰に手を回して優しくエスコートをする。そんな翔の姿をニタニタ嬉しそうに見ている三人がムカついてしょうがない。

「沙羅ちゃん、こっちに座って。で、翔はこっち」

　仁はホテルの中でも超一流中華料理店の個室を予約していた。煌びやかな装飾や照明が古い時代の中国を思わせるその個室の円いターンテーブルには、すでに様々な料理が並んでいた。五人が向い合せで話ができるくらいのちょうどいい距離感だ。

「じゃ、自己紹介から始めようか？」

　普段は仕切ったりしない仁が、珍しくそんな事を言う。翔はそんな仁を見て、仁の事も気の毒に思った。仁はこんな風に飲み会を盛り上げるキャラじゃない。きっと、ボスから色々な任務を言われているに違いなかった。


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