美魔男の完璧な仕事に心が溺れる


「その通り。一語一句、ボスからの言葉だから。
 俺の意図はこれっぽちもないっていう事を忘れないで」

 仁はそう言うと、タブレットを取り出して翔にイヤホンを渡した。

「は? 仁が話すんじゃないの?」

 仁は迷惑そうな顔をして首をブンブンと横に振る。

「何で俺がそこまでしなきゃいけないんだよ。
 俺の方からもボスに電話で話してくださいってお願いしたんだけど、翔の性格がうんぬんとか言ってこういう形になった。
 俺は翔がちゃんとボスの言葉を理解したか、確認するだけのためにここにいるってこと」

「面倒くさ」

「それは俺の言葉だよ」

 翔は渋々タブレットに目をやった。仁はすぐに再生ボタンを押して、向こうで騒ぐ三人を見て笑っている。

「翔、すまん。もう一つ言う事を忘れていた」

 ボスのわざとらしい出だしの言い訳に、翔は無理やり鼻で笑った。


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