美魔男の完璧な仕事に心が溺れる
仁は静かに頷いた。もうそれ以上の事は聞こうとはしない。
「沙羅への想いを他の何かと天秤にかける事なんてできない。
自分の任務はしっかりやり遂げるよ。
でも、その先の未来に関しては、誰の指図も受けない。
それがここにいる仲間だったとしてもね」
翔はいつもの微笑みを浮かべて仁にそう言った。仁は翔の肩をポンと叩く。好きにしろと小声で囁いて。
翔はソファから立ち上がると、また沙羅の隣に座った。七海とユリアはお酒が回っているのかすごく楽しそうだ。
「翔、二人の写真を撮っていい?」
七海がスマホを操作しながらそう聞いてきた。
「修練や優斗にも二人の仲いいところを見せてあげたいからさ。あ、ちょっと待って、翔の機嫌が良さそうだから動画にする。ユリアの事も撮りたいし」
「俺の機嫌とかじゃなくて、ユリアが撮りたいだけだろ?」
七海は酔えばいつもユリアに告白をする。そんなルーティンにユリアは毎回付き合う事になる。いつものお馴染みの風景だった。仁もその輪の中に入る。七海は仁を撮ったり、ユリアを撮ったり忙しそうだ。