美魔男の完璧な仕事に心が溺れる


「もうそろそろ帰りたいんだけど」

 翔がそう言うと、七海は慌てて翔と沙羅にスマホを向けた。

「はい、二人、いい顔して~」

 翔は七海のスマホを見ながら、沙羅を自分の胸に引き寄せる。そして、皆とスマホの前で二人は熱いキスをした。いや、二人というより、翔が一方的にキスをしている。

「ヒュ~~~」

「翔、どうしちゃった??
 いいね~ 最高じゃん」

 翔の意外な行動に仁も七海もユリアも大喜びだ。沙羅は恥ずかしそうだけど、翔の熱いキスに応えてくれる。

「七海、この動画、ボスにも見せていいから。
 いや、ボスには必ず見せること、OK?」

 七海は楽しそうに頷いた。その一方で、仁は笑っているけれど目つきは鋭い。何だか不吉な事でも起こりそうな、そんな複雑な表情で翔をジッと見ている。

「じゃ、俺らは帰るわ」

 翔はそう言いながら、店員にカードを渡し精算をお願いした。

「翔、ここは唐澤がお金を出すって言ってたよ」

 ユリアは七海とじゃれ合いながらそう言った。でも、翔は店員にいいからと目で合図する。翔は自分の事をジッと見ている仁と目が合った。仁は何かを心配している。翔はそんな仁に軽く笑いかけた。仁の心配は無用だと小さな声で呟きながら。


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