美魔男の完璧な仕事に心が溺れる


 翔は唐澤の前に移動して、不満そうに目を細めて唐澤を見つめる。

「それだったら、別に俺じゃなくてもいいでしょう?
仁や優斗だっているし、俺的にはまだ暇でいたいんですけど」

「いや、お前じゃなきゃダメだ」

「何で?」

 唐澤は翔が放り投げたファイルを手に取り、それをジッと見ている。

「翔、お前にやってもらいたい。
 理由か? 理由は簡単、お前が恋愛体質の人間じゃないから。
 ほぼほぼの男連中だったら、こんな綺麗で可愛い子とずっと一緒にいれば、そういう感情が湧いてもしょうがない。
 ま、恋愛関係になっても別にいいんだけど、その後がどれだけ面倒くさいか、翔だって分かってるだろ?」

 唐澤は遠くにいる他のメンバーを見て、肩をすくめる。

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