美魔男の完璧な仕事に心が溺れる


「残念だけど、そんな事にはならないから」

「翔、恋愛なんて自分自身でコントロールできるもんじゃないからな。
 自然の流れに身を任せて、自分を解放しなきゃ」

 その声で隣にいるのが修練だという事が分かった。お寺の息子のくせにモテるのをいい事に好き勝手やっているいい意味で自由人、悪く言えば遊び人、そんな男が修練だ。

「うるさいよ。俺が恋に落ちるなんて、あり得ないから。
 沙羅は可愛いけど、俺は今までどおりクールな翔で変わらない、本当、悪いけど」

 そう捨て台詞を残して、翔が通話を終了させた。あいつらの事だから、お金でも賭けて楽しんでいるに違いない。
 翔は目を閉じたまま、困ったように微笑んだ。
 でも、本当に俺は恋をしているのか?
 それならそれで、また軌道修正すればいい。逆にこんな気持ちになる事自体、ちょっと楽しみたい。恋に落ちるとか、そういうロマンティックな気分を身をもって体験できるなんて、俺にとっては奇跡でしかないから。

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