美魔男の完璧な仕事に心が溺れる
翔は立ち上がると、スウェット生地のパーカーを羽織った。沙羅は翔の私服に、またときめいてしまう。翔の今日のスタイルはいわゆるストリートファッション。大きめのジーンズに白シャツそして黒色のパーカー。たぶん、どこかのブランドなのか、見た事のあるロゴが入っている。
でも、こんなにラフで着崩した格好も翔の洗練されたビジュアルによって、最高にクールで完璧なものに仕上がっていた。そんなポカンとしている沙羅を見て、翔は首を傾げて笑った。
「沙羅、急いで。
ねえ、このホテルって自転車のレンタルって、あったっけ?」
「自転車?」
翔はすぐにコンセルジュに問い合わせる。
「微妙な距離なんだ。車で行けば逆に時間がかかる。大通りは混んでるし。
徒歩はちょっと無理、中距離走並みに走れればだけど」
そして、翔は自転車の手配を済ませた。下の裏口に支配人が準備をしてくれているらしい。
「よし、行こう!」
翔が一番楽しそうだ。そんな翔から沙羅は目が離せられない。