【完結】ぶらっでぃ☆ふぃあんせ!!~幼馴染の男の子が実は双子のヴァンパイアで溺愛されてます~
吸血ちゅう!
ファーストキスの話なんかしちゃったら、キスする話になっちゃうよね……。
もうっそういうつもりじゃなかったのに。
「あ、あのねっキス……するのは……今は……ちょっと……」
「え? 今はいやだ?」
「い、いやじゃないけど……血も吸うんだよね? ……それにキスもしたら私の心臓おかしくなっちゃう」
「そうだな、今日はまだ初日だし……」
「そうだね、今日は首筋のキスで我慢だ」
「う、うん……じゃあ、あの……どうぞ……」
私は、目を瞑った。
だって、目を開けてるなんて無理だよぉ~。
心臓はドッキドキ。
「雛菊……可愛い」
「めちゃめちゃ可愛いよ」
耳元で囁かれる。
ん……耳元に二人の吐息がかかる。
くすぐったい感じなのに、それが熱く感じて。
それだけで、もうドキドキ最高潮。
握られた手にキュッと力がこもって……。
「あ……っ」
やだ、二人の唇が左右の首元に感じたと思ったら変な声が出ちゃったよぉ。
恥ずかしいから私はもっと二人の手を握り返す。
「……雛菊……愛してる……っ」
「……愛してるよ……雛菊……っ」
二人が囁きながら、あぁ牙をたてたのかな……ってわかった。
でも、痛くない……。
長い時間のような、短い時間のような……。
なんだか触れないって言ったけど、まるで全身を……。
やだ……なんか感じたことのない感触がっ……!
「ひゃ……も、もう……だめぇ……っ」
「……うん……はぁっ」
「もう終わったよ……うん……」
身体が熱くて、私はハァハァ絶対してる。
でも、目を開けると二人はもっと紅い顔。
「俺達の初めて……どうだった?」
「えっ……」
「俺達は最高だったよ……」
「初めて……なの?」
二人に両側から抱き締められる。
「当然だよ、女の子を自由に変える生き方もあるけど、俺達は一人だけのブラッディフィアンセを選んだ……あぁすげー最高。ありがとう雛菊、愛してるよ」
右の頬にカイリくんにキスされた。
「俺達は一生、雛菊の血しか……口にしない。ほんと、最高だよ……雛菊の血は極上すぎ……最高によかった……ありがとう雛菊、愛してるよ」
左の頬にカイトくんにキスされた。
「わ、私もあ、あい……愛して……ますぅ……よかったなら……よかった」
「可愛い」
「ほんと、たまんないね」
二人ともまだ息が熱いし……もう、私はやっぱりキスしなくてよかったと思った。
今キスまでしてたら……絶対……おかしくなっちゃうもん。
「今日キスしなくてよかったな……俺達絶対……暴走してた」
「あぁ……絶対狼男になってた。今でもめっちゃくちゃ我慢してるもんな」
私は世間知らず~ってマコちゃんに言われるけど、今の二人とその言葉の意味はわかるよ。
「ブラッディ・フィアンセの契約は吸血相手に捧げる究極の愛だよ」
「俺達の身も心を、これからずっと雛菊に捧げる」
「……わ、私も……二人に……あげるね全部」
二人はクラっとしたような顔をした。
「やばいよ雛菊……反則」
「眠れなさそうだな……今夜」
「ええっ……私、変なこと言ったかな……」
もう、恥ずかしさ限界! 寝たふりしちゃおうかな……。
って思ってたらさっきの血を吸われた時の心地よさが、眠気を誘って……。
そういえば、今日は入学式で……。
二人と再会して……いっぱいいっぱい、いろんなこと……。
カイくん二人のぬくもりを感じながら、私はいつの間にか寝ちゃってた。