【完結】ぶらっでぃ☆ふぃあんせ!!~幼馴染の男の子が実は双子のヴァンパイアで溺愛されてます~

これから始まるブラッディ・フィアンセ!


 次の日に、私が起きると二人はベッドにはいなかった。
 左右に大きなうさぎちゃんのぬいぐるみ。

「もう……二人とも優しいんだから……」

 うさちゃんに抱き締められて、私はあったかい気持ちだった。
 血を吸われた首元には絆創膏が貼ってある……?

「雛菊お嬢様、失礼します」

「あっ、はい」

 うとうとしてたら、メイドさんが声をかけてくれたの。
 それから、シャワーを浴びたり支度して……みんなで朝食。
 お母さんはカイくんママと夜更かしして、寝不足でフラフラ~。
 お父さんは逆にいっぱい寝たって元気だった。
 屋敷の地下にある大浴場に入ってきたんだって~。
 ほんとこのお屋敷すごい!

「ううふ、ひなちゃん。おはよう……うちの息子の初めてを奪ってくれて、ありがとう」

 食事の前に、今日は綺麗なピンクのドレスを着ているカイくんママにこっそり言われたの。
 なんか恥ずかしいですーーーっ!!

「俺達の雛菊、おはよう」

「よく眠れた? 雛菊おはよ」

 二人とも、今日は私服姿だ。
 シンプルだけど、かっこいい。
 同じ服だから、普通だったら見分けがつかないかも。

「おはよう、カイリくん」

 私はカイリくんが伸ばしてきた手を握ってそう言った。

「おはよう、カイトくん」

 同じく、カイトくんにも……。

「すげー俺達がどっちか、わかるの?」

「雛菊、すごいね」

「えっ!? すぐわかるけど……」

「やっぱ俺達の嫁最高!」

「可愛すぎるから! 愛の力ってやつ?」

「えぇ!? わかるの当たり前じゃないの?」

 二人に抱き締められて、私は混乱。

「誰もわかんないよ~~!! 雛菊だけ!」

「父さんも母さんですら、わからないからね!」

 二人は大喜び!
 そうだったの!?
 私も昨日、初めて二人だって知ったけど……手を繋いでるうちに、キスされて囁かれてるうちに、わかっちゃったよ。
 そして朝食。

「私は、ちょっと忙しくてまた海外に戻るのよ」

 カイくんママ、そうなんだ……。
 二人は特に寂しそうでもない。

「だから、ひなちゃんよろしくね。ジャックがいるけど生活態度とかなんか、なまけてたら叱ってやって! それにいつでも泊まりに来ていいし何なら一緒に住んでもいいんだから」

「えっ」

「そうだ、一緒に暮らしたらいいよ」

「そうだそうだ、一緒に暮らそうぜ」

「うううー! 君たち、まだだ! まだ雛菊は渡さんぞ~~!」

 お父さんがまた泣き出しそう。
 
「お父さんったら……ごめんね、たまには泊まりに来たいけど」

「うふふ、そうよね。ひなちゃんパパからしてみたら、まだまだ一緒に暮らしたいはず。私もたまには帰ってくるからまたパーティーしましょうね」

「はい!」

 お父さんは安心してるし~!
 うちのお母さんは名残惜しそうだった。
 私も素敵なカイくんママがいなくなるのは寂しいな……海外っていうか魔界だよね。
 カイくん達は、ちょっと残念そうに『毎週泊まりにおいでよ』って言ってくれたよ。

 この素敵な恋人二人と、高校生活が始まるのかぁ……。
 ちょっと刺激が強すぎるかもしれないけど、楽しみ。

「楽しみだね」

「楽しみだな」

 まるで心を読まれたみたいに、私は二人から頬にキスされちゃった。
 ブラッディ・フィアンセは甘い甘い血の契約……。

 
☆.。.:*・゚ ☆.。.:*・゚おしまい ☆.。.:*・゚ ☆.。.:*・゚ ☆.。.:*・゚ ☆.。.:*・゚
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