【完結】ぶらっでぃ☆ふぃあんせ!!~幼馴染の男の子が実は双子のヴァンパイアで溺愛されてます~
二人のカイくん
「「ひなぎく」」
二人の声がハモる。
声もかっこいい……でも、どういうこと!?
「カイくんが……二人?」
「ん?」
「あ~……」
二人はちょっと顔を見合わせて理解したような顔をした。
「手紙、届いてない?」
「え? て、手紙……?」
二人は困ったような顔をした。
「まったく……取り急ぎ、夏子おばさんには俺らの母親からこっちに戻る事と入学式一緒に行くって手紙を出したんだけど……雛菊に宛てた手紙は届いてなかったか」
夏子おばさんは私のママ。
「私に手紙をくれてたの……?」
「あぁ」
「魔界との接続がうまくいかない日があったはず。それで遅れてるんじゃないか……」
マカイ? なんの話?
全然わからない……!!
でも……。
「あの、カイくんは……私の幼馴染の……」
「「俺だよ」」
二人が同時に言った。
「で、でも二人って」
「あらまぁ!? カイくんが二人!?」
私の後ろで声がした。ママだ。
ママだって、思うよね!?
だってカイくんは一人だったもの。
「うーん、仕方がない。夏子おばさん。ちょっとごめんな」
同じ顔だけど、ちょっとやんちゃな喋り方をするカイくんがママに人差し指を向けた。
なんか……ママの目がクラっとして、ニコッと笑った。
「えっ……あぁ~~カイリくんにカイトくん。大きくなったわねーーー!!」
「はい、おばさんお久しぶり」
「お久しぶりです」
えっ!?え!?
カイリくんに、カイトくん!?
ママはなんで、納得してるわけ!?
その時、空から一枚の手紙が降ってきた。
「今更かよ」
私より、背がすごく高いカイくんの一人がパッと手紙をとる。
「今更だけど、雛菊にはちゃんと説明しないとね」
こっちのカイくんは、ちょっと優等生みたいな喋り方。
そういえば、昔もカイくんはお天気みたいに雰囲気が変わってた。
「とりあえず、学校へ行こうぜ」
「そうだね」
「えっ!? わぁ」
イケメン二人が私の手を掴んで、走り出した。
えっえっ!?
手、手を繋がれてるーーー!?
「うふふ、いってらっしゃい雛菊。二人のブラッディフィアンセ頑張るのよ~ママは入学式始まる時間に学校行くわねーー!」
ママがニコニコして意味不明なことを言った。
ぶらっでぇふぃあんせ??
なんのこと!?
「ね、ねぇー! カイくん! わかんないよぉ!!」
「ずっと会いたかったよ、雛菊」
右手を繋いでるカイくんが優しく微笑む。
ドキッとした。
「あぁ、やっと会えた、雛菊。嬉しいぜ」
左手を繋いでるカイくんが、無邪気に笑う。
あ、ドキドキ。
「私も……う、うん! ……でも」
「「俺達は雛菊をブラッディフィアンセに選んだんだ」」
ますます意味がわからない。
二人が微笑むと、牙のような犬歯が見えた。
フィアンセって婚約者!?