【完結】ぶらっでぃ☆ふぃあんせ!!~幼馴染の男の子が実は双子のヴァンパイアで溺愛されてます~
入学式の学校へ
入学式の学校に着く。
桜の花が満開の校門を通り過ぎた。
「写真撮ろうぜ!!」
「いいね」
「あ、うん……」
三人で写真を撮った。
カイリくんのスマホで撮るから顔の距離が近くでドキドキするよぉ!?
会場の案内をしているらしい先生が、入学式の看板も入れて撮ってくれたぁ。
自由な校風だからスマホもオッケーなの。
私はまだ持ってないんだけどね。
そして玄関へ向かう。
二人に挟まれて、なんか心が追いつかないの~~!
「あの……二人が別の男の子だってわかったんだけど……」
二人とも、手を繋いだまま。
高校生になったカイくん……カイリくんとカイトくん。
背も高くて、すごいかっこいいから、みんながすごく見てくるよぉ。
で、真ん中にいる私を見て『なにあれ?』って視線。
「どっちがカイリくんで、どっちがカイトくん?」
「あ~俺がカイリ」
二カッと笑う。
やんちゃな雰囲気がカイリくん。
あぁ~鬼ごっこや遊具遊びをいっぱいしたのがカイリくんだった?
「俺がカイトだよ。わからなくなったら聞いてね」
あ……。
絵本を読んだり、図鑑を一緒に読んだ……あれはカイトくん?
「う、うん……」
二人の大きくてあったかい手が……私の手をまたぎゅっと優しく握る。
お、男の子と手なんか繋いだことないのに……!
ドキドキしっぱなしだよ。
「おー俺ら、同じだ1年1組! よかったな雛菊!」
「うん、ずっと一緒にいられるね雛菊」
「う、うん……」
私もクラス分けの張り紙を見上げた。
「あっ……マコちゃんがいる」
「ん?」
「おーい! まさかと思ったけど、やっぱ雛菊!? あんたちょっと何、両手に男……!!」
ボーイッシュでかっこいい系女子のマコちゃんが驚いた顔をして現れた。
びっくりするよね……。
まだ二人は手を離してくれないし……あっちょっと指……恋人つなぎに変更されちゃったし。
「金沢麻琴か、久しぶりだな」
マコちゃんも同じ幼稚園だったんだよね。
「えええええええええ!? ま、まさか翡翠カイ!? って、なんで二人……!?」
「おい、俺の目を見ろ」
マコちゃんも二人を見て驚いたようだけど、カイリくんがウインクした。
「うわぁ~久しぶりだねぇ! カイリとカイト~~! やっぱまだ雛菊のこと溺愛してんだぁ~」
「えっ!!」
「当たり前だろ」
「当然だよね」
マコちゃんは二人の肩をバシバシと叩いて笑う。
「いやー良かったじゃん!! やっと再会できたんだもんね! 雛菊ったら、ずーーーーっとあんた達が好きだ好きだって言ってさぁ! 彼氏も作らず告白も断って一人だったんだから~~これで高校生活楽しくなるね!」
マコちゃん、すっかり彼らが二人だったって過去を思い込んでる。
何かの催眠術師なの!?
「カイト。ジャックに幼稚園時代の知り合い全員、記憶改編しておけって言っておいてくれよ」
「うん、わかったよ。もうとっくに終わってると思ってたのにね」
「ジャック……ジャックさん? 二人の……執事の」
カイくんの家はすっごくお金持ちで二人のお世話は執事さんがしていた。
おじいちゃんの白髪の執事さん。
「あぁ。俺達今回は二人で暮らすからジャックもまた来るよ」
「そうなんだ……あのお屋敷?」
カイくんの家は、すごく豪邸だったんだよな。
「うん、雛菊も一緒に暮らそうよ。あそこで」
「あぁ、部屋はいっぱいあるし」
「ちょ、ちょっと待ってよぉ~! 私、まだ心がぐちゃぐちゃで……」
「あぁ、そうだな。まずは入学式だよな。教室に行くか」
「そうなんだけど~……さっきママが言ってた、ぶらっでぇふぃあんせって何?」
二人に手を繋がれたまま、私は玄関へと向かう。
今日はスリッパで過ごすみたいで、使い捨てのスリッパを在校生から受け取った。
やっと手が離れた……もう、ドキドキしすぎちゃう。
それで……ぶらっでぇふぃあんせの答えは?
「ブラッディフィアンセの意味……ねぇ」
「じゃあ説明しよっか」
二人はスリッパを履いたら、また手を繋いで歩き出す……。