【完結】ぶらっでぃ☆ふぃあんせ!!~幼馴染の男の子が実は双子のヴァンパイアで溺愛されてます~
溺愛ティータイム
二人に案内されて、庭が見えるテラスでケーキを食べることになったの。
すごく素敵なアフタヌーンティーが用意されている~~!!
私達はテーブルの周りの椅子に座った。
テラスなのにソファでふっかふか。
「ケーキもすぐにお持ちいたしますね」
ジャックさんの他にも、もう一人本物のメイド服を着たメイドさん!
幼稚園の時と変わってない……姿だ。
キレイな琥珀色の紅茶を注いでくれた。
「うん、いい香りだ。穏やかな午後で心地いいね」
「本当だね」
カイトくんの言うとおり、いい香り。
きれいな庭が楽園みたい。
庭にブランコがある。
「あとであのブランコに三人で乗ろうぜ。いつも上の窓からどっちかが眺めてたんだ」
「そうだったんだ……二人が二人だなんて全然気付かなかった」
あんなに一緒にいたのに……。
「雛菊が気にすることはないよ。気付かれないように俺達がしていたんだ。術を使ったこともある」
「そうだぞ。これから三人で一緒に楽しく過ごせばいいんだから気にするなよ」
「二人共……うん、ありがとう」
「ね、三人で愛し合おう」
「だな。三人で愛し合いまくろうぜ」
「ひゃ! も、もう……言うことの刺激が強いからぁ」
冗談じゃなくって本気で言うんだもん。
愛し合うって……恥ずかしい~~!!
赤くなった私を二人は優しく微笑んで見てる。
翡翠邸のテラスで、またこんな日が来るなんて……。
「おまたせいたしました」
ジャックさんがケーキを切り分けてキレイにフルーツやソースも添えて出してくれた。
「素敵! ありがとうございます」
二人が、少し私の椅子に寄せて近づいてきた。
お皿も近い。
「入学祝いだな。これから楽しい三年間にしような。ほい、あーん」
「めでたい最高の日だ。これから三年一緒に通えるね。はい、あーん」
二人が私の前にフォークに刺したケーキとスプーンに乗せたムースを見せた。
「どっちからでもいいぜ。俺等そんなことで喧嘩はしないから」
「そうだ。先に食べたい方を食べて」
「えっと……じゃあ……あ、あ~ん」
まずカイリくんのチョコケーキをパクリ……。
「甘くて美味しい! じゃあカイリくんにも、私からあ~ん」
「やった! あ~ん。うん、変わんないな味。んまい」
同じチョコケーキを口に入れると、カイリくんがちょっと照れたように笑う。
「いいなぁ。次は俺からだよあ~ん」
「うん、あ~ん。わぁ初めて食べるけど美味しい! じゃあカイトくん、あ~ん」
「やった! あ~ん……うん桜の味だ」
三人であ~ん……どうしてこんな恥ずかしいことができちゃったかと言うと、小さい頃に二人でいつもしてたから……。
うーん、結構恥ずかしい。
でも……嬉しいな。
「あ~ん」
「あ~ん」
「あ~ん」
三人の甘い時間。
二人からのケーキも甘いし、二人の眼差しも、あ~んも甘い。
溺愛ティータイム、なんて言葉が私の頭に浮かんだの。
「ねぇ、雛菊。今日はおうちの人も呼んで家族で入学祝いのパーティーをしようよ」
「え、いいの?」
「うん、おばさんとおじさん……いや義理の両親にご挨拶ちゃんとしたいし、今後の生活の提案をね」
ご挨拶……ってなんか緊張しちゃうよ!
今後の生活の提案……ってなんだろう?
ジャックさんがお母さんに連絡してくれることになって、私達はティータイムを楽しんだ。