魔力なし悪役令嬢の"婚約破棄"後は、楽しい魔法と美味しいご飯があふれている。
プロローグ①
「あーこれ、私の好きだった乙女ゲームの世界だわ」
ここが乙女ゲームの世界だと気付いたのは。婚約者候補として王城のバラが咲く庭園で、金髪、碧眼、王子のような容姿の男の子、カロール王子とお会いしたときだった。
「はじめまして、カロール・アンサンテです」
カロール・アンサンテ? そ、その名前はハマっていた乙女ゲームのヒーローの名前と同じだ。じゃ、私は……このふんわり縦ロールの白銀の髪……ああ、そんなの乙女ゲームにたった一人しかいないじゃない。
「どうしました、ルーチェ嬢?」
ルーチェ、そう私は悪役令嬢ルーチェ・ロジエ。
――何故、乙女ゲームの世界に転生しているの?
あの日。たしか久しぶりの休日。私は推しのアニメグッズを買いに、近くの街まで出かけていたはず。その店、アニメ、漫画のグッズ店に到着してお目当ての品を買って、うきうき乗りこんだ帰りのバス……ん? んん? そこから先の記憶がない――ということは。
そのあと私に何かがあって、ちまたで有名な異世界転生した? と、気付いたのは十年前の事だ。
そして。今宵、ついにきた学園最後の舞踏会、悪役令嬢の断罪イベントの日。幼い頃、カロール殿下の婚約者にきまってから厳しい王妃教育、学園生活とここまでの道のりは長かった。
(私よく頑張った!)
それも、ようやくおわる。
カロール殿下、国外追放一択でおねがいします。
ここが乙女ゲームの世界だと気付いたのは。婚約者候補として王城のバラが咲く庭園で、金髪、碧眼、王子のような容姿の男の子、カロール王子とお会いしたときだった。
「はじめまして、カロール・アンサンテです」
カロール・アンサンテ? そ、その名前はハマっていた乙女ゲームのヒーローの名前と同じだ。じゃ、私は……このふんわり縦ロールの白銀の髪……ああ、そんなの乙女ゲームにたった一人しかいないじゃない。
「どうしました、ルーチェ嬢?」
ルーチェ、そう私は悪役令嬢ルーチェ・ロジエ。
――何故、乙女ゲームの世界に転生しているの?
あの日。たしか久しぶりの休日。私は推しのアニメグッズを買いに、近くの街まで出かけていたはず。その店、アニメ、漫画のグッズ店に到着してお目当ての品を買って、うきうき乗りこんだ帰りのバス……ん? んん? そこから先の記憶がない――ということは。
そのあと私に何かがあって、ちまたで有名な異世界転生した? と、気付いたのは十年前の事だ。
そして。今宵、ついにきた学園最後の舞踏会、悪役令嬢の断罪イベントの日。幼い頃、カロール殿下の婚約者にきまってから厳しい王妃教育、学園生活とここまでの道のりは長かった。
(私よく頑張った!)
それも、ようやくおわる。
カロール殿下、国外追放一択でおねがいします。
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