魔力なし悪役令嬢の"婚約破棄"後は、楽しい魔法と美味しいご飯があふれている。
4
婚約破棄から、半年の月日がたった。
私はベルテ大陸の中央にある王都から、かなり離れた西の端。モール港が見渡せる丘の上建つ、おじさんとおばさんのカリダ食堂で住み込みで働いている。
早朝六時ごろに目覚め海側の窓を開け、朝日に照らされキラキラと光るモール海を見渡していると。窓近くの木の枝にバサバサと羽音を鳴らして、一匹の梟が近くの枝に止まる。
「ホー、ホー、ホー」
「あっ、福ちゃん、おはよう」
ここに住んでからのお友達――福ちゃん。
彼はモフモフな胸にエメラルドのネックレスをつける「森の物知り博士」と呼ばれる梟だ。
福ちゃんは毎朝どこから飛んできて、窓を開けた私に挨拶をしてくれる。彼はおしゃべりが好きで、昨日なんて私が太ったとか言いだして福ちゃんに、違うと反論したくらいだ。
そんな福ちゃんは挨拶の後、私に文句を言いだす。
「ホホー」
「今朝は昨日よりも、お寝坊ですて?」
福ちゃんは一分でも窓を開けるのが遅れると、口うるさく文句を言うのだ。私はその訳を言うために急いでベッドに戻り、古本屋で見つけた本を福ちゃんに見せる。
「起きるのが遅れたのは、この本のせいなの。この本が面白くって寝坊しちゃった、ごめんね」
「ホー」
へーって、福ちゃんの興味のない表情をわたしに見せた。この本の内容は魔法使いとお姫様の熱烈な恋のお話。
二人の濃厚なラブシーンに胸をときめかせて。少しだけ読もうとしたのだけど面白くって、結局はまるまる一冊読んでしまった。
だけど、福ちゃんには興味がないらしく。
「ホーホホー」
「え、もう、朝ご飯の時間だから帰る? わかった、気をつけて帰ってね。また明日!」
「ホー!」
近くの枝から飛び立ち、翼を広げて飛んでいく福ちゃんを見送り。私は真っ白なシャツと、ネクタイ、黒いタイトスカート。お店のロゴ入りエプロンを着けて、食堂にいく準備を始めた。
私はベルテ大陸の中央にある王都から、かなり離れた西の端。モール港が見渡せる丘の上建つ、おじさんとおばさんのカリダ食堂で住み込みで働いている。
早朝六時ごろに目覚め海側の窓を開け、朝日に照らされキラキラと光るモール海を見渡していると。窓近くの木の枝にバサバサと羽音を鳴らして、一匹の梟が近くの枝に止まる。
「ホー、ホー、ホー」
「あっ、福ちゃん、おはよう」
ここに住んでからのお友達――福ちゃん。
彼はモフモフな胸にエメラルドのネックレスをつける「森の物知り博士」と呼ばれる梟だ。
福ちゃんは毎朝どこから飛んできて、窓を開けた私に挨拶をしてくれる。彼はおしゃべりが好きで、昨日なんて私が太ったとか言いだして福ちゃんに、違うと反論したくらいだ。
そんな福ちゃんは挨拶の後、私に文句を言いだす。
「ホホー」
「今朝は昨日よりも、お寝坊ですて?」
福ちゃんは一分でも窓を開けるのが遅れると、口うるさく文句を言うのだ。私はその訳を言うために急いでベッドに戻り、古本屋で見つけた本を福ちゃんに見せる。
「起きるのが遅れたのは、この本のせいなの。この本が面白くって寝坊しちゃった、ごめんね」
「ホー」
へーって、福ちゃんの興味のない表情をわたしに見せた。この本の内容は魔法使いとお姫様の熱烈な恋のお話。
二人の濃厚なラブシーンに胸をときめかせて。少しだけ読もうとしたのだけど面白くって、結局はまるまる一冊読んでしまった。
だけど、福ちゃんには興味がないらしく。
「ホーホホー」
「え、もう、朝ご飯の時間だから帰る? わかった、気をつけて帰ってね。また明日!」
「ホー!」
近くの枝から飛び立ち、翼を広げて飛んでいく福ちゃんを見送り。私は真っ白なシャツと、ネクタイ、黒いタイトスカート。お店のロゴ入りエプロンを着けて、食堂にいく準備を始めた。