ゾンビ学園-鏡を見たらソレが感染する!?-
久子は自分の立場をわきまえて、懸命に働いた。
意地悪は先輩女中がいても歯を食いしばって我慢した。

1年が経つ頃にはある程度の仕事ができるようになり、先輩女中とも打ち解けていた。
この調子で2年、3年と仕事をしていけばきっとご主人も喜んでくれる。

そう思って一生懸命働いた。
もちろん読み書きなんてできなかったけれど、幼くして奉公へ来た久子を不憫に思った奉公先の奥様が簡単な読み書きを教えてくれた。

久子はそれも懸命に覚えた。
せっかく奥様が自分のために時間を作ってくれているのだから、ちゃんと成果を出したかった。

そうしてある程度読み書きを覚えたころのことだった。
「久子、お前はようやく色が抜けたなぁ」
廊下の拭き掃除をシていた久子にご主人が声をかけてきた。

野良仕事から解放されて家の中の仕事に没頭していたため、気がつけば久子の肌は白くなっていたのだ。
ボロボロに剥がれていた肌も今は艷やかさがある。
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