ゾンビ学園-鏡を見たらソレが感染する!?-
☆☆☆

幸いトイレには誰も姿もなく、2人はその場にへたり込むように座り込んでしまった。
床が汚れていることなんて気にならないくらいに心臓がバクバクと早鐘を打っている。

額には汗が滲んで呼吸も乱れていた。
ほんの数メートルを全力で走っただけなのに、ゾンビに襲われるかもしれないという恐怖のせいで全身汗だくだ。

「教室の外に……出れたね」
千歳がホッとしたように微笑む。

「そうだな。ずっとあそこから出られないと思ってた」
だけどそれは回避できたのだ。

それだけでも随分と大きな進歩だと思えた。
「食堂は廊下を真っ直ぐ進んで、突き当り。そこまでにまだまだゾンビはいると思う」
「うん。わかってる」

千歳は頷く。
それでもここまで来たのだからやるしかない。
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