日給10万の結婚
「あの時、娘を助けてくださったことで、ドレスも汚してしまいましたし……そのことで一部の人から変な目で見られていたでしょう」
「い、いえそんな」
「本当に申し訳なくて。でも、ほとんどの人は、あの時の舞香さんの立ち振る舞いに感動していますよ。あの後何人もの人にそう言われたんです」
目を細めて言ってくれる。恥ずかしくなって少し俯いてしまう。
「看護師さんなんですってね。玲さん、すごく見る目があると思いました。お二人のご結婚、心よりお祝い申し上げます」
「ありがとうございます」
二人で穏やかな談笑を始める。ドリンクとケーキも運ばれてきて、それを味わった。美味しいといえば美味しいけど、この紅茶が二千円もするのは解せない。
倫子さんはとても話し上手で聞き上手だった。物腰も柔らかく、私に誠意を持って接してくれていることがよく分かった。信頼できそうな人だ、と自分の直感が言う。しばらく会話を交わした後、私は本題を切り出した。
「倫子さん、正直におっしゃってほしいのですが、私と玲の結婚はどのように見えていますか」
ズバッと尋ねると、彼女はうーんと考え込む。
「ええっと、玲さんは金城家の方と婚約をされている、と聞いていました。ただ、玲さんはそれに対して乗り気ではない、というのも聞いたことがあります。なので、きっと舞香さんと本当の恋愛をなさって、それを貫き通したと感じています」
「なるほどー」
「それに……これは個人的な感想になるので申し訳ないのですが、楓さんは結構個性的な方なので、玲さんと合わないのは仕方ないな、と思っていました」
楓さんの本性に気づいている人発見! かなりマイルドな言い方だが、楓さんがやばい奴というのを感じ取っているようだった。
倫子さんは困ったように苦笑いをする。
「と、いうのは私の主観です。他の方は違うことを感じているかもしれませんから、なんとも言えません」
「いいえ、聞けて良かったです。実際のところ、私たちの結婚は、ご両親には反対されたままなのです」
私は真実を話した。これぐらい、言わなくても想像つくだろうが。倫子さんはまあ、と目を丸くする。
「大変ですね……その、二階堂さまはとても厳しい方でいらっしゃるから」
「色々頑張っている最中なんです……」
「応援していますよ、人のためにあれだけ一生懸命になれる方は絶対にいい方だと、胸を張って言えますから」
ニコリと笑ってくれたのを見て、感激する。この性格のよさ、マミーとメロンに分けてやってくれないか。
「あの倫子さん、伊集院さまの奥様が主催するお茶会や、誕生会について、聞いたことありますか?」
恐る恐る尋ねる。倫子さんはミルクティーを飲んだ後、目を丸くして答えた。
「い、いえそんな」
「本当に申し訳なくて。でも、ほとんどの人は、あの時の舞香さんの立ち振る舞いに感動していますよ。あの後何人もの人にそう言われたんです」
目を細めて言ってくれる。恥ずかしくなって少し俯いてしまう。
「看護師さんなんですってね。玲さん、すごく見る目があると思いました。お二人のご結婚、心よりお祝い申し上げます」
「ありがとうございます」
二人で穏やかな談笑を始める。ドリンクとケーキも運ばれてきて、それを味わった。美味しいといえば美味しいけど、この紅茶が二千円もするのは解せない。
倫子さんはとても話し上手で聞き上手だった。物腰も柔らかく、私に誠意を持って接してくれていることがよく分かった。信頼できそうな人だ、と自分の直感が言う。しばらく会話を交わした後、私は本題を切り出した。
「倫子さん、正直におっしゃってほしいのですが、私と玲の結婚はどのように見えていますか」
ズバッと尋ねると、彼女はうーんと考え込む。
「ええっと、玲さんは金城家の方と婚約をされている、と聞いていました。ただ、玲さんはそれに対して乗り気ではない、というのも聞いたことがあります。なので、きっと舞香さんと本当の恋愛をなさって、それを貫き通したと感じています」
「なるほどー」
「それに……これは個人的な感想になるので申し訳ないのですが、楓さんは結構個性的な方なので、玲さんと合わないのは仕方ないな、と思っていました」
楓さんの本性に気づいている人発見! かなりマイルドな言い方だが、楓さんがやばい奴というのを感じ取っているようだった。
倫子さんは困ったように苦笑いをする。
「と、いうのは私の主観です。他の方は違うことを感じているかもしれませんから、なんとも言えません」
「いいえ、聞けて良かったです。実際のところ、私たちの結婚は、ご両親には反対されたままなのです」
私は真実を話した。これぐらい、言わなくても想像つくだろうが。倫子さんはまあ、と目を丸くする。
「大変ですね……その、二階堂さまはとても厳しい方でいらっしゃるから」
「色々頑張っている最中なんです……」
「応援していますよ、人のためにあれだけ一生懸命になれる方は絶対にいい方だと、胸を張って言えますから」
ニコリと笑ってくれたのを見て、感激する。この性格のよさ、マミーとメロンに分けてやってくれないか。
「あの倫子さん、伊集院さまの奥様が主催するお茶会や、誕生会について、聞いたことありますか?」
恐る恐る尋ねる。倫子さんはミルクティーを飲んだ後、目を丸くして答えた。