日給10万の結婚
 今までほどの厳しいレッスンじゃなくなり、これも週に一度ぐらいになった。基礎は出来ているので、ゆっくり応用していけばいい、とのことだったのだ。

 私は仕事を復帰することにした。とはいえ、正社員と二階堂の嫁の両立は流石に厳しいので、パートに変えてもらった。

 マミーは『二階堂の嫁が働くなんて……』とかブツクサ言っていたけど、『伊集院さんや倫子さんはとても素晴らしいって褒めてくれましたよ』って言ったら黙った。んでまたパピーと玲に叱られていた。パピーに至っては、『態度を改めないなら離婚も視野に入れる』と言い出して、マミー大慌て。さらに大人しくなりましたとさ。

 仕事は好きだし、私は家にこもっているのは似合わないと思う。自分の小遣いぐらい自分で稼ぎたいし。

 もう少し落ち着いたら、復帰することになっている。玲も応援するよと言ってくれた。

 それからそれから……メロンについて。

 私たちが戻ったことで、彼女はかなりご立腹だったそう。金城家も、未だ二階堂とは距離を置き、殆ど関りが無くなっているとか。

 だが、あの子が奔放な証拠など諸々、あっちにとっても世にばれると困る情報がこちらにあるので、攻撃はしてこない。にらみ合いの冷戦状態。

 彼女のご両親は、娘がかなり性に奔放だということを知り、娘の矯正を試みているようだ。外出禁止となっているとか。

 玲と結婚することは一度諦めたらしく、他の御曹司と婚約を結ぼうと躍起になっているらしい。が、なかなか見つからないとのこと。どうしても、向こうに断られ続けており、金城家も頭を抱えている。

 メロン、そんなに自分がモテない人間とは信じられず、発狂してるらしい。パーティーとかに参加して片っ端からイケメンにメロン(胸の方)を押し付けて誘っているらしいが、相手はドン引き。振られ続けてるとか。御曹司たちは、育ちがいいせいか見る目があるんだね。

 圭吾さん曰く、『多分あれは結婚無理ですね』らしい。

 一度だけこんなことがあった。

 メロンが玲に分厚いラブレターを送ってきた。あなたをずっと好きな気持ちは変わりません、舞香さんとダメになったら私が……みたいなやつ。パーティーで男漁りしてるとは思えない内容。

 玲は呆れ返り、また手紙が来ても面倒だという理由で返事を書いていた。もう金城家との関係も破綻してるので、初めて赤裸々に本音を書いたそうな。

『お願いなのでこれ以上関わらないで下さい
 世界に女性があなた一人になっても俺はあなたと子孫は残しません
 正直顔も好みじゃないし性格悪すぎて無理です  
 あと香水臭いのも無理です
 声が雑音に聞こえるのも無理です
 多分生物学的に相性が悪すぎると思うので、他のオスを見つけて下さい』

……メロンからの返事はない。
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