日給10万の結婚
「勝手に入籍して、それが終わった後に伝えてくるなんて……二階堂の跡取りとして計画性もないし呆れます」
「すみません、でもそうでもしないとお二人は結婚を認めてくれなかったでしょう?」
「今でも認めたわけではありません」
ぴしゃりと言い放った。言い返そうとした玲を諫め、私はにっこりしながら言う。
「非常識であったのは紛れもない事実です。本当にすみませんでした、玲もそこはちゃんと謝ろう? 結婚を反対される覚悟は出来ています。でも私は諦めません、認めてもらえるまで何度でもチャレンジします」
怯えることなくきっぱり言い放ったのを、お義父さまは少し感心したように見ていた。それに気づいたお母さんが睨みつける。慌てたようにお義父さまは私から視線を逸らした。
玲が頷いて答える。
「勝手に入籍したのは申し訳ありませんでした。でもそうでもして、俺は舞香と結婚したかったんです。会社の利益など関係なく、自分が愛した人と結婚したかった」
三千万で結婚したとは思えぬ純愛発言に笑ってしまいそうになった。慌てて口を押えたので、多分向こうからは照れているか喜んでいるかに見えるだろう。玲が気づき、私に小さな声で耳打ちした。
「こら」
「ふふ、ごめんね」
はたから見ればいちゃついているように見える私たちを、楓さんは白い目で睨んでいた。そしてすぐに、甲高い声で言った。
「すみません、でもそうでもしないとお二人は結婚を認めてくれなかったでしょう?」
「今でも認めたわけではありません」
ぴしゃりと言い放った。言い返そうとした玲を諫め、私はにっこりしながら言う。
「非常識であったのは紛れもない事実です。本当にすみませんでした、玲もそこはちゃんと謝ろう? 結婚を反対される覚悟は出来ています。でも私は諦めません、認めてもらえるまで何度でもチャレンジします」
怯えることなくきっぱり言い放ったのを、お義父さまは少し感心したように見ていた。それに気づいたお母さんが睨みつける。慌てたようにお義父さまは私から視線を逸らした。
玲が頷いて答える。
「勝手に入籍したのは申し訳ありませんでした。でもそうでもして、俺は舞香と結婚したかったんです。会社の利益など関係なく、自分が愛した人と結婚したかった」
三千万で結婚したとは思えぬ純愛発言に笑ってしまいそうになった。慌てて口を押えたので、多分向こうからは照れているか喜んでいるかに見えるだろう。玲が気づき、私に小さな声で耳打ちした。
「こら」
「ふふ、ごめんね」
はたから見ればいちゃついているように見える私たちを、楓さんは白い目で睨んでいた。そしてすぐに、甲高い声で言った。