夫婦ごっこ
「ねぇ、義昭さん。結婚してくれてありがとう。おかげで家族を喜ばせることができた。この選択をして本当によかった。ありがとうございます」
「それは私の台詞ですよ? 本当にありがとうございます。奈央さんがいてくれてよかった。これから一緒に支え合って生きていきましょう」
「はい。私たちはもう一蓮托生ですから」
「そうだね。これから苦楽を共にしていくんだから遠慮はなしです。いつでも頼ってください。僕はね、奈央さんに頼られるのすごく好きなんだよ?」
今日までの日々で奈央はたくさん義昭に助けてもらった。由紀と修平の仲を見せつけられて鬱々とした気持ちになったときには、いつだって義昭が寄り添ってくれた。きっとこれからも義昭をたくさん頼ってしまうと思う。でも、それと同じだけ義昭にも自分を頼ってほしい。ちゃんと平等な関係でいたいのだ。
「ありがとう、義昭さん。でも、後輩でも頼りっぱなしは嫌って最初に言ったでしょ? 義昭さんも私を頼るんだよ?」
「わかってるよ。奈央さんのこと頼りにしてる。僕たちはもう家族だから。弱さも見せ合って生きていこう?」
「うん。家族になるのって嬉しいですね。夫婦はごっこだけど、本当の家族だよね?」
「本当の家族だよ。そこに偽りはない。ちゃんと家族だと思っていいから」
自分は生涯由紀たちを羨みながら孤独に生きていくのかもしれないと思っていた。いずれ頼れる家族はいなくなってしまうんじゃないかと思っていた。でも、今はとても心強い味方がいる。頼れる家族ができたのだ。それがどうしようもなく嬉しい。でも、同時に西条の家を出たのだという実感も湧いて少し淋しかった。
「それは私の台詞ですよ? 本当にありがとうございます。奈央さんがいてくれてよかった。これから一緒に支え合って生きていきましょう」
「はい。私たちはもう一蓮托生ですから」
「そうだね。これから苦楽を共にしていくんだから遠慮はなしです。いつでも頼ってください。僕はね、奈央さんに頼られるのすごく好きなんだよ?」
今日までの日々で奈央はたくさん義昭に助けてもらった。由紀と修平の仲を見せつけられて鬱々とした気持ちになったときには、いつだって義昭が寄り添ってくれた。きっとこれからも義昭をたくさん頼ってしまうと思う。でも、それと同じだけ義昭にも自分を頼ってほしい。ちゃんと平等な関係でいたいのだ。
「ありがとう、義昭さん。でも、後輩でも頼りっぱなしは嫌って最初に言ったでしょ? 義昭さんも私を頼るんだよ?」
「わかってるよ。奈央さんのこと頼りにしてる。僕たちはもう家族だから。弱さも見せ合って生きていこう?」
「うん。家族になるのって嬉しいですね。夫婦はごっこだけど、本当の家族だよね?」
「本当の家族だよ。そこに偽りはない。ちゃんと家族だと思っていいから」
自分は生涯由紀たちを羨みながら孤独に生きていくのかもしれないと思っていた。いずれ頼れる家族はいなくなってしまうんじゃないかと思っていた。でも、今はとても心強い味方がいる。頼れる家族ができたのだ。それがどうしようもなく嬉しい。でも、同時に西条の家を出たのだという実感も湧いて少し淋しかった。