夫婦ごっこ
「ねぇ、義昭さん。手繋いでいい?」
「はは、今日は甘えん坊さん?」
「うん……義昭さんと家族になれたのは嬉しいけど、お父さんとお母さんのもとを離れたんだと思ったらちょっと淋しい」
「いいよ。隣おいで?」
義昭が自分の隣をトントンと叩いてくれたから、奈央は素直に従ってそこに座った。義昭が差し出してくれた手に自分の手を重ねれば、ぬくもりが伝わってきてとても安心する。
奈央が「あったかいね」と言えば、義昭はにこっと微笑んでくれた。そのまま並んでまたおしゃべりを再開するのだろうと思っていたが、義昭は繋いだ手はそのままにベッドにごろんと寝転がってしまった。
「はあー、さすがにちょっと疲れましたね、今日は。披露宴があったらこんなものじゃないんだろうけど」
「友達の結婚披露宴に参加したときはすごく楽しかったけど、確かにあれを自分でやるとなったらかなり大変そうですね」
「奈央さん、本当に披露宴しなくてよかったですか?」
「いいって何度も言ってるじゃないですか。主役扱いされるの苦手なんですよ」
「あー、その気持ちは私もわからなくないです。注目を浴びるのは苦手なので」
「やっぱり私たち似た者同士ですね」
「そうだね。奈央さんとは気が合うから、すごく居心地がいい。いつも癒されてます」
奈央にとっても義昭の隣は居心地がいい。二人は驚くくらい相性がいい。無理をせずに一緒にいられるから、義昭の前だと知らず知らずのうちに素が出てしまう。ずっとずっと昔に閉じ込めてしまった自分が飛び出してきて奈央自身驚いている。
「はは、今日は甘えん坊さん?」
「うん……義昭さんと家族になれたのは嬉しいけど、お父さんとお母さんのもとを離れたんだと思ったらちょっと淋しい」
「いいよ。隣おいで?」
義昭が自分の隣をトントンと叩いてくれたから、奈央は素直に従ってそこに座った。義昭が差し出してくれた手に自分の手を重ねれば、ぬくもりが伝わってきてとても安心する。
奈央が「あったかいね」と言えば、義昭はにこっと微笑んでくれた。そのまま並んでまたおしゃべりを再開するのだろうと思っていたが、義昭は繋いだ手はそのままにベッドにごろんと寝転がってしまった。
「はあー、さすがにちょっと疲れましたね、今日は。披露宴があったらこんなものじゃないんだろうけど」
「友達の結婚披露宴に参加したときはすごく楽しかったけど、確かにあれを自分でやるとなったらかなり大変そうですね」
「奈央さん、本当に披露宴しなくてよかったですか?」
「いいって何度も言ってるじゃないですか。主役扱いされるの苦手なんですよ」
「あー、その気持ちは私もわからなくないです。注目を浴びるのは苦手なので」
「やっぱり私たち似た者同士ですね」
「そうだね。奈央さんとは気が合うから、すごく居心地がいい。いつも癒されてます」
奈央にとっても義昭の隣は居心地がいい。二人は驚くくらい相性がいい。無理をせずに一緒にいられるから、義昭の前だと知らず知らずのうちに素が出てしまう。ずっとずっと昔に閉じ込めてしまった自分が飛び出してきて奈央自身驚いている。