熱情滾るCEOから一途に執愛されています~大嫌いな御曹司が極上旦那様になりました~
「……私、その話、全然知らない」
頬が熱い。ぼそぼそと喋る私に、百合はあっけらかんと答える。
「言ってないもの。お姉ちゃんは鈍いから、成輔さんの好意はずっと家同士の繋がりのためだと思ってたし、お見合いのその日まで私と成輔さんが結婚するものだと思い込んでた」
そうだ。だから、結婚を申し込まれて、キスされて、一緒に暮らしだして……。こんなふうにあふれるほど愛される日々に戸惑っている。困っている。
「成輔さんの気持ちをお姉ちゃんが知って、やっと向かい合う覚悟も決めたんだと思ってたのに、私のせいで喧嘩になっちゃってたら嫌だと思ったの」
「百合のこと、お母さんの言葉で誤解してた。部屋にハンカチも大事に飾ってあったし、まだ好きなのかと……」
「あの、ハンカチね。あれはお姉ちゃんに渡そうと思って忘れてたものよ」
どういうことだろう。理解できていない私に、百合が肩をすくめた。
「覚えてないみたいだけど、あのハンカチは成輔さんが私とお姉ちゃんに柄違いでくれたものの『お姉ちゃんの分』よ」
「へえ?」
「お姉ちゃん、『試薬で汚れるから、ブランドものの何万もするハンカチ使いたくない』って成輔さんに突っ返したのよ。天然とはいえ、あれは酷だと思ったわ。すっかりしゅんとしちゃった成輔さんに私が『あとで渡しておきます!』って預かったの」
つまり、これは私が受け取るはずだったハンカチ? 私は記憶を改ざんして、もらって
使って紛失したことにしていた。
頬が熱い。ぼそぼそと喋る私に、百合はあっけらかんと答える。
「言ってないもの。お姉ちゃんは鈍いから、成輔さんの好意はずっと家同士の繋がりのためだと思ってたし、お見合いのその日まで私と成輔さんが結婚するものだと思い込んでた」
そうだ。だから、結婚を申し込まれて、キスされて、一緒に暮らしだして……。こんなふうにあふれるほど愛される日々に戸惑っている。困っている。
「成輔さんの気持ちをお姉ちゃんが知って、やっと向かい合う覚悟も決めたんだと思ってたのに、私のせいで喧嘩になっちゃってたら嫌だと思ったの」
「百合のこと、お母さんの言葉で誤解してた。部屋にハンカチも大事に飾ってあったし、まだ好きなのかと……」
「あの、ハンカチね。あれはお姉ちゃんに渡そうと思って忘れてたものよ」
どういうことだろう。理解できていない私に、百合が肩をすくめた。
「覚えてないみたいだけど、あのハンカチは成輔さんが私とお姉ちゃんに柄違いでくれたものの『お姉ちゃんの分』よ」
「へえ?」
「お姉ちゃん、『試薬で汚れるから、ブランドものの何万もするハンカチ使いたくない』って成輔さんに突っ返したのよ。天然とはいえ、あれは酷だと思ったわ。すっかりしゅんとしちゃった成輔さんに私が『あとで渡しておきます!』って預かったの」
つまり、これは私が受け取るはずだったハンカチ? 私は記憶を改ざんして、もらって
使って紛失したことにしていた。