熱情滾るCEOから一途に執愛されています~大嫌いな御曹司が極上旦那様になりました~
「家同士の結びつきで婚約なんて前時代的じゃないですか? 俺が彼女を好きになるのは普通だし、彼女が俺になびいてくれるのだってあり得ることです」
今谷の言葉に成輔にぴりっと緊張がはしるのがわかる。私は狼狽し、強い語調で言った。
「変なこと言わないで。私は今谷とは付き合えないって言ってる」
その否定は、成輔に誤解されたくないという気持ちの発露だった。それは成輔が嫉妬すると面倒くさいという理由ではなくなっていた。かつての私だったらそうだっただろう。今は違う。
成輔以外の男性を好きだなんて、誤解されたくない。
「親同士とか、家の結びつきなんか関係なく、私はこの人が好き」
唇からこぼれた告白は、震えていた。成輔が目を見開くのがわかった。
「結婚するつもりだから……。ごめん、今谷の好意は……正直すごく困る! やめてください!」
言ってから、これが百合の言っていた『興味のない人間への塩対応』なのだと気づいた。我ながら身も蓋もない振り方をしてしまった。
しんと静まり返る小路。私は気まずさからうつむき、今谷に言った。
「ひどい言い方してごめん」
「……いや、きっぱり振ってくれてよかった。俺、女の子に振られるの初めて。すごくいい経験になった」
それが強がりなのか今谷なりに茶化そうとしているのか私にはわからない。
今谷の言葉に成輔にぴりっと緊張がはしるのがわかる。私は狼狽し、強い語調で言った。
「変なこと言わないで。私は今谷とは付き合えないって言ってる」
その否定は、成輔に誤解されたくないという気持ちの発露だった。それは成輔が嫉妬すると面倒くさいという理由ではなくなっていた。かつての私だったらそうだっただろう。今は違う。
成輔以外の男性を好きだなんて、誤解されたくない。
「親同士とか、家の結びつきなんか関係なく、私はこの人が好き」
唇からこぼれた告白は、震えていた。成輔が目を見開くのがわかった。
「結婚するつもりだから……。ごめん、今谷の好意は……正直すごく困る! やめてください!」
言ってから、これが百合の言っていた『興味のない人間への塩対応』なのだと気づいた。我ながら身も蓋もない振り方をしてしまった。
しんと静まり返る小路。私は気まずさからうつむき、今谷に言った。
「ひどい言い方してごめん」
「……いや、きっぱり振ってくれてよかった。俺、女の子に振られるの初めて。すごくいい経験になった」
それが強がりなのか今谷なりに茶化そうとしているのか私にはわからない。