熱情滾るCEOから一途に執愛されています～大嫌いな御曹司が極上旦那様になりました～
今谷は成輔に向き合い、頭を下げた。

「すみませんでした。彼女にはっきり振られたので身を引きます。誓って、彼女には先ほど以上の接触はしていません」
「していたら、俺も笑顔じゃいられませんよ」

そう言って成輔は笑っている。目が笑っていないので怖い笑顔だが。

「葵は俺にとって、幼いころから大事にしてきたお姫様のような存在です。あなたであれ、誰であれ、俺たちの間に入ることはできません。今後はよき同僚としてのお付き合いに留めてください」

成輔は私に歩みより、腰を抱く。その腕の力強さに、なんとも言えない恥ずかしさを覚えた。
今谷が去って行き、ようやく私は成輔の腕を外した。

「来るのは明日じゃなかったの？」
「待ちきれなくなっちゃってね。仕事を調整して午後の新幹線に乗っちゃった。ホテルは取れてるから安心して」

ほんの今さっき、今谷相手に言った成輔への言葉。それを、彼はどう思っているだろう。
説明しなければ、今度こそ私の言葉でごまかさずに。

「部屋、入って」

成輔の袖を引いて、目と鼻の先の下宿に誘った。


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