熱情滾るCEOから一途に執愛されています~大嫌いな御曹司が極上旦那様になりました~
ボストンバッグひとつを手にふた月住んだアパートを出て、近所に住む下宿の管理人さんに鍵を返しに行った。大学や企業と提携してロングステイ用のアパートを貸している人だ。
ランチは近所のラーメン。手を抜いたのではなく、この二ヶ月で開拓した美味しいお店なので、食べ収めがしたかったのだ。

「鶏白湯ってあんまり食べないけど、こってりしていて美味しいね」

昨日はスーツ姿だった成輔は、今日はジーンズにシャツとジャケット。ラーメンをすすっていてもモデルか俳優のように綺麗だ。

「毎日食べてたの?」
「学生時代ならいざ知らす、今はそこまで栄養管理に無頓着じゃないよ」
「葵ならやりかねないと思って」
「ここは週一、あとは美味しいお弁当屋と定食屋と洋食屋とコンビニをルーティーン」

自炊をあまりしていないのがバレてしまう返事になってしまった。

「あ、でも朝ごはんは自分で作ってたよ。成輔と暮らしだしてから、朝作ること多かったし」
「おにぎり?」
「そう。美味しいからいいでしょ」
「いいと思う」

成輔は楽しそうに笑っていた。離れていた二ヶ月の報告は、成輔を安心させるようだった。

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