熱情滾るCEOから一途に執愛されています~大嫌いな御曹司が極上旦那様になりました~
「なにこれ!」

驚いたのはホテルに到着してからだった。

「私、普通のツインルームを頼んだんだけど」
「スイートが空いてたから、変えちゃった」

えへ、と悪びれずに言う成輔。私が用意した部屋は成輔によって、このホテルで一番いい部屋にランクアップされていたのだ。百合が泊まったときも、まあまあいい金額のホテルだと思っていたけれど、スイートルームっていくらするんだろう。
見渡した部屋の広いことといったら……。京都の夜景は一望できるし、一泊するだけなのに部屋は三部屋もあるし、別に和室もあるし、謎のバーカウンターはあるし、ソファは見たことないくらい大きい。

「結婚する身として! 無駄遣いは!」

言いかけた私の手を真向かいから成輔がぎゅっと握る。

「好きな子との初めての外泊で張り切っちゃったんだ。許してくれる?」
「ゆ、許す!」

五つも年上なのに、可愛い顔で許しを請うのはずるい。そして、その仕草にまあまあごまかされてしまうようになっている私もよくない。
私、いつの間にこんなに成輔のことを好きになっていたのだろう。

「そんなに期待に満ちた目で俺を煽っちゃ駄目だよ」
「期待してない! 煽ってない!」
「先にごはんにしようね」
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