熱情滾るCEOから一途に執愛されています～大嫌いな御曹司が極上旦那様になりました～

「葵みたいな変わり者を好きでいてくれるんだから、本当に成輔さんはありがたい旦那様だわ」

母が相変わらず娘をけなす。本人悪気は一ミリもないのだが、母の価値観からすると私は変わり者なのだ。
成輔はいつも通り笑顔だったが、はっきりと答えた。

「葵ちゃんほど素敵な女性はいません。俺にとってはすべてです」

この言葉には私より、百合が「きゃ～」と喜んでいた。
お土産に赤飯と筑前煮を持たされ、帰宅する。夜は成輔のお父さんに会いに行って食事なので、この赤飯と筑前煮は明日の朝食にしよう。

「成輔、いつもありがとう」

何をと言わずとも伝わっているようだ。成輔は私の頭を撫で答えた。

「きみが素敵なのは本当だからね」

私は少し背伸びして成輔の首に腕を巻き付けた。自分から抱きつくのはまだ恥ずかしいけれど、それよりも抱擁の安心感の方が勝る。
以前、そのうち自分から甘えてくれるようになるなんて成輔には言われていたけれど、本当になっちゃったなと不思議な気持ちだ。