熱情滾るCEOから一途に執愛されています~大嫌いな御曹司が極上旦那様になりました~
「お姉ちゃん、大丈夫?」

すべてが終わった後、私と成輔はホテルにこのまま宿泊となる。振袖からワンピースに着替えた百合が、ホテルに居残り、私の代わりに妊娠検査薬を買ってきてくれた。

「買うのすごく緊張した」

そう言う百合はどこか誇らしげだ。
百合はちょっとした有名人でもあるので、検査薬を買わせるのは気が引けたのだけれど、本人が力になりたいと言い張ったのだ。私は着物を脱いだら動けなくなっていたし、成輔も参列者の見送りなどがあったため、百合の申し出は助かった。

「ありがとう。調べてくる」
「一応、月経予定日の一週間後から調べられるってことだけど」
「うん。たぶん、問題ない」

説明書を読んでトイレで検査薬を使う。

「ええ?」

一分待つどころじゃない。あっという間に陽性反応が出た。妊娠しているという反応だ。
いやいや、こういう試薬は時間いっぱい反応を待たないと。
逸る気持ちを抑えて待つ。一分後、検査薬はやはり陽性のまま。

私は妊娠しているらしい。

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