熱情滾るCEOから一途に執愛されています~大嫌いな御曹司が極上旦那様になりました~
隣室の布団を借りて横にならせてもらった。
帰りは成輔の車だけれど、もう少し眩暈が収まってから車に乗らないと吐き気が増してしまいそうだった。
それに、久しぶりに成輔が実家にきて、お義父さんが嬉しそうなのだ。もう少しゆっくり喋ってほしい。

うとうとと浅い眠りに落ち、ハッとスマホを見ると三十分ほど経過している。
リビングからは成輔とお義父さんの話声。

すると、玄関のチャイムが鳴る音がした。
お客のようだ。しばらくすると、誰かがリビングに入ってきたのがわかった。

「康太くん、いらっしゃい」

お義父さんの声で、それが小沢康太、成輔の従兄だとわかった。あのちょっと感じの悪い人だ。二週間ほど滞在するとは成輔から聞いていたけれど。

「明日には帰国なので、ご挨拶に。僕だけですみません」
「きみのお父さんは、今日はうちの関係先と会食だろう。私が参加できなくてすまないね。ごらんのとおり、今日は家族優先の日なんだ」

お義父さんからしたら、別れた奥さんの甥っ子。
それでも、結婚していた頃の縁なのか、彼も彼のお父さんも風尾グループにいる。そのあたりはナイーブな話題だろうから、私からは聞けない。
< 174 / 207 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop